☆★グリン・ピース★☆

母の祈り。

母は少し黙っていた。

「あれ、あそこに

紫陽花が咲いたわ。

薄紅色の・・・

違う種類の紫陽花よ。

もうすぐ夏がくるのね・・」


光は車椅子を母の指差す方へ

移動した。


母は、その大輪の花を

顔に近づけて口づけた。


「光、人生には

どうしても失いたくないものが

あるはずよ。

それが貴方の大切なものなら

一生を賭けて守りたいものなら

自分を信じていいのよ。

それが本当の愛に基づくものなら

きっと誰も傷つけたりしないわ」
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