☆★グリン・ピース★☆
その瞬間、

笑っていた光の顔が

みるみる苦痛に歪み

実麗の肩に重みがかかり

長身の光の体が

スローモーションのように

折れ曲がってゆっくりと

前に倒れていった。



一体何が起こったのか

わからなかった。


黒い帽子とサングラスに

フードを被った

その人影は駅の雑踏に

紛れてすぐに見失った。


蹲った彼の押さえた手の辺りを

見ると赤黒い血が滲み出し

みるみる白いシャツを染めていった



「キャーーー!!!」


実麗がしゃがみこむと

その周りに丸い人垣が集まり


「人が刺されたぞ!

救急車!誰かっ早く!

駅員を呼んでこい!」


そう叫ぶ声がホームに

凄まじく響き渡った。
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