ぼくの太陽 きみの星
「琢磨くんがぼろぼろだったあたしを助けてくれたのは、本当に感謝してる。

いつだってあたしのそばにいてくれた。


でも、あたし鷹耶のことがやっぱり好きだし、鷹耶のことがどう転ぼうと、これ以上琢磨くんを振り回すわけにはいかない。

琢磨くんは、もっと大事にされるべき人だと思う」


「……ぼくのことはどうでもいいんだ。

正直ベンリ君でもリハビリ君でも何でもいいんだから」

「……」

「そうじゃなくて、未怜ちゃん自身はどうしてほしい?

未怜ちゃんは、ぼくがそばにいると負担?

お兄さんを一緒に探してほしい?」

「琢磨くん……」

「ぼくの気持ちを言うなら、ぼくはできるだけ未怜ちゃんのそばにいたいって思ってる」



ぼくがこの一週間の間に出した結論は、相も変わらずそれだった。

タイムリミットぎりぎりまで、あきらめきれないぼく。



未怜ちゃんが希望を持たないようにしてるのとは逆に、ぼくは必死にひとすじの希望にしがみついてるんだ。

いまにも切れそうな、細い細い蜘蛛の糸に。



「……あたしから、そばにいて、とも、そばにいると負担だ、とも言えない」


未怜ちゃんは小さく首を振って、それだけ言った。



控えめな言い方だったけど、それは”ぼくの好きなようにしろ”ってことだった。
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