ぼくの太陽 きみの星
「そんじゃ、しっかり勉強しな」


と、再度あたしの頭をくしゃくしゃなでて、後ろ手に手をヒラヒラ振りながら、颯爽と出て行ってしまった。




ざわざわざわ……

場の空気が一気に動き出す。


(……妹)

(お兄さん……)


そんな囁き声の伝言ゲームが一気に教室中を駆け抜けたかと思うと。


「ちょちょちょっとぉっ、お兄さん、かっこ良すぎっ」

「毎日忘れ物してよぉっ」

「仲良さそ~」

「いいなーいいなー、家でも目の保養じゃない?」


あっという間に、キャーキャー大騒ぎする女子たちに机を囲まれてしまう。



(いいわけない!

あんなのがずっと家にいるんだからね――)



人混みの隙間から、こっそり琢磨くんを見る。



座って、自分の手をじっと見ていた。

こわばった、固い表情で。
< 81 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop