ウルフな彼
「夜の森に1人で
飛び出したりしたら
危ねえだろうが!!」
「うっ…」
オウガのキツい言葉に
肩をすくめる。
が、言葉とは裏腹に
ふんわりと
抱きしめてくれるオウガ。
「心配…しただろ…」
「えッ…?」
「オレが勝手に
連れてきたせいで
由羅になんか
あったら、ッて…。
頼むからもう…
いなくならないで
くれ…」
あたしの肩に
顔をうずめて
弱々しく言うオウガ。
オウガ…
あたしのことこんなに
心配してくれたんだ。
それに、助けられたのは
事実なわけだし…。