龍人大戦
「うふふ…ありがとう…ですわ」

うっすら微笑んだマリアさんだった。




S闘技場はコロシアムの地下にある、と受付嬢に聞いた。
そこに向かって歩いている途中。

「わかっているでしょうけど、あいつ…結構な手練れですよ」

無論あいつとは、あの大男…ダグラス。

「わかってますわ。わかっていましたけれど…正直意外でしたわね。闘技場と言っても、井の中の蛙だとばかり思っていましたから…うふふ」

言葉のわりに、存外嬉しそうだ。

「当たり前ですわ。実戦に勝る修行はありませんもの。まして、強敵との対決…まさに、望むところですわね」

「この場合、命かかってますけどね」

「わたくしはいつだって本気で、命がけなのですわ」

うーん。やっぱマリアさん、まじぱねーっす。

「…ところで『左手のあれ』使うんですか?」

左手のあれ…マリアさんの能力。

「使わなくてすむなら、使いませんわ。あまり、大勢の前で見せつけるものじゃありませから」
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