%コード・イエロー%

いつものように、くだらない--時々大切な話もあるけど--師長の話をありがたく拝聴し、

受付に出ると、長い行列ができていた。


内心の嫌悪を微塵も感じさせないよう、精一杯の笑顔を作る。


「おはようございます。お待たせいたしました」


出された保険証を受け取ると、そのほとんどが、後期高齢者用のものだ。

政府の非難の的だった75歳以上に渡される“後期高齢者”という保険証。

施行された当初は、病院の受付にまで苦情が殺到して、本当に参った。

文句は、政府に言ってくれ。


そして、なんで、その種類の保険証ばかりかといえば。



・・年寄りの朝って、なんでこんなに早いのかな~。



病気なんだからゆっくり寝ていればいいのに、って毎回思う。

朝早く受付をしても、彼らはそのまま帰ったりはしない。

顔見知りを探して、待合室で話に花を咲かせるのだ。


病原菌の多いこんな場所に、長居をしたがるその考えがまるでわからないけれど、

私も、いつか年を取れば、その楽しさがわかるようになるのかもしれない。

きっと彼らには、彼らにしかわからないコミュニティがあるのだろう。





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