%コード・イエロー%

ぴかぴかのまぶしい空の下で洗濯物が干せるなんて、贅沢だな、と思う。

私がもともと住んでいたところは、家賃が安いだけがうりのぼろいアパートだったから、

もちろん日当たりの良さなんて、望むべくもなかったけど。


私は、シャツを勢いをつけてはたくと、ハンガーに引っ掛けた。

一人分の洗濯物は、あっという間に干し終わる。

洗濯籠を片手にベランダから部屋の中に戻ると、5分も経っていなかった。


熱が下がって3日目。

体調はすっかり元通りだ。

そろそろ職探しに出なくてはいけない。

次の職がほしければ自宅待機とヒョロは言っていたが、連絡がないだろうということは想像に難くない。


『今から、ハローワークに行って来ます。いろいろありがとう』


熱が出ている間、ここに泊まって私の看病をしてくれた里佳子にメールを送信する。

少なくとも一日3回はメールを入れること。

里佳子が去り際に私に約束させたことだ。


もともと里佳子は、他の職場の人間とは違って気が合う仲間だったけど、

私にとっては、それだけだった。一緒に遊ぶし楽しいけれど、本当に気を許すことはない。


けれど、この数日間でその意識はすっかりひっくり返ってしまった。

いつの間にか、彼女は私にとってかけがえのない友人になっていたのだ。


職場と同じ。

そんな簡単なことに、今の今まで気づかないなんて。



・・仕事はなくしたけど、里佳子はなくさなくて良かった。





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