サミシイカラ…ウソツキ



賢人が…な…んで?



いきなり突きつけられた話に体の震えが止まらない。


とにかく早くこちらに来てくれという警察の話もよく耳に入らない。



寛人はあたしのエプロンの裾を握ったまま、不安そうな顔で涙を浮かべている。



あたしは電話を切ると、立っていられずにキッチンの床に座り込んでしまった。



「お母さん!お母さん!ねぇ、何があったの!?お母さん!!」



あたしは泣き叫ぶ寛人を抱きしめるが、言葉がなかなか出なかった。



寛人の泣き声で驚いたのか、部屋で勉強をしていた暁人が飛び出してきた。普通ではないあたしの様子を見て立ちすくんでいる。



「お父さんが…交通事故で…亡くなったって…」



あたしはやっとの思いで言葉を絞り出した。



「……嘘だろ?そんな…」


愕然とする暁人と寛人。



あたしも…まだ信じられなかった。



あたし達は数日分の着替えをバッグに詰め、夫の元へ向かうべく新幹線に飛び乗った。






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