サミシイカラ…ウソツキ



「ゆうに離婚したことをずっと言えなかったのは…言えばゆうを奪いたくなってしまうのが怖かったからだ。ゆうの家庭まで壊してしまいたくなかった。本当は…そばにいて欲しい。愛してるって…ずっと言いたかった。でも…それを言えば俺の気持ちが爆発してしまうから…言えなかったんだ。」



……成瀬さんは泣いていた。成瀬さんが…そんなに辛かったなんて…知らなかった。あたしの瞳に涙が溢れた。



成瀬さんはあたしの手を痛いくらい握りしめ、震える声で


「ゆう…ずっと嘘ついててごめん。俺は…旦那さんが亡くなったのを心の奥底では喜んでるのかも知れない嫌な男だ。でも、ゆうを失いたくないんだ。ゆうの喜びも痛みも俺は寄り添いたい。お願いだからひとりで決めないでくれよ…頼むから…」



成瀬さんの弱さとあたしの弱さは磁石のように引き合っていたのかも知れない。


あたしは夫とのことを成瀬さんにすべて話し、お互い手を握りながら泣いた。



あたし達は誰かを傷つけ、誰かに傷つけられて出会ったんだ…



窓に打ち付ける激しい雨が、あたし達の気持ちを反映しているようだった…




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