もう一度名前を呼んでほしい
「ずっと大好きだったよ!」

「ありがと。」


最後くらいは先生が可愛いって言ってくれたとびきりの笑顔でいたいのに……自然に涙が出てきちゃって………


「愛美。君は俺といて沢山傷付くかもしれない……。」

「今まで沢山傷付いたもん。それでも、先生といたいから。」

「俺は君に酷いことを沢山させてしまうかもしれない…寂しい思いも沢山させてしまうかもしれない…それでも良いなら……俺のところへ来ませんか?」

思っても見なかった先生からの言葉。

不器用で、でも温かく優しい言葉。

「一緒にいても良いですか?」

先生は静かに頷いた。

夕日に照らされ2人の唇が静かに重なる。シルエットだけが浮かぶ。

未来へ一歩出来たかな…
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