きっとずっと
カンカンと

「あっつい─……
賢のやつまだこないのぉ。このままじゃ、私の美白がコゲパンになるじゃない。」


顔を上げると真っ赤な太陽が容赦なく私に襲いかかる。
たっぷりと日焼け止めは塗ってきたけど、暑さはどうにもならない。
キャミソールから出ている手をジリジリと焼いてくる。

待ち合わせの公園を見回しても、お目当ての相手はみつからない。
かわりに小学生が無邪気に駆け回っている姿が目に入る。
小さな男の子が、女の子の手を引いて鬼から逃げている。

懐かしいな。

昔は私もよく、この公園で鬼ごっこやってたな。
クラスのみんなで毎日放課後に集まってテレビゲームなんて比べ物にならない位楽しくて、ただ夢中に駆け回ってた。
でも最後は、鬼から逃げようとして滑り台から飛び降りた子が骨折して、禁止になったんだよね。


そして、私は日を避けるように、公園で一番大きな桜の木の下に移動した。


ここは私達のお気に入りの場所。


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