【天使の片翼】
ぐっ、と男が短くうめいて、ファラの拘束がとかれる。
「あ、ご、ごめんなさい!」
反射的に、あやまってしまった。
「女、か」
男は、低く唸るようにそう言うと、再びファラの体に手を伸ばす。
「それ以上、近づかないで!
抜くわよ!」
ファラは、一歩後ろに飛び去り、剣のつかに手をやった。
ほんのわずか、剣を引く。
・・さっきは、油断したけれど、今度は・・・。
月明かりに、照らされて、鞘からはみ出した剣の刀身が、鈍い色を放った。
その時。