Cスクール~崖っプチの15歳~
私は彼に一目惚れした。

図書室で眠っていた彼がふと顔をあげて、私を前髪の間から見た瞳に心臓を射ぬかれたのだ。

目が合った

知らない彼

名前もクラスも性格も部活も何も分からなかった。

私は情報通のリサにすぐに聞いた。

「あーあいつ? タクだよ。村上拓哉」

 村上君か

「中村あんなのが良いの? 小学生の頃オタクのタクって影で呼ばれてたよ」

部活の仲間はいつも辛口だった。

男の趣味が悪いと言われても、私は彼の声と瞳に恋をした。

見ているだけで良かった。

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