溺れる愛☆零れ堕ちる恋心
第九章☆壊される時間
4月24日 金曜日

今週末は家には帰らない

先週、家に帰ったから

今週は紅夜さんと過ごすって約束をしているの

今はデパートで買い物中なんだ

『アパートに置いておくの
買おうか』って

なんだか恥ずかしいね

胸の奥がくすぐったい

おそろいのマグカップや食器

女性モノのシャンプーやコンディショナー

バスタオルも

「引っ越すかな」

買い物をして車に荷物を乗せている紅夜さんが呟いた

「え?」

「狭いだろ?
もともと一人で住むつもりだったから
大学に近くて、コンビニがあればいい…くらいにしか思ってなかったんだ
家具も家電もどれもミニサイズだ
二人じゃ、狭いだろ?」

「んー、そうですか?
だってこれからだって一人暮らしですよね?」

私の言葉に紅夜さんは、眉間に皺を寄せた

「週末は来てくれるんだろ?」

「2週間に1回ですよ?
家に帰らないとだし、もしかしたら3週間に1回になる可能性だってありますし
平日は一人なんだし、気にしなくてもいいと思います」

紅夜さんは不満そうな顔をする

「ふうん」

なんでそこで機嫌が悪くなるの?

< 80 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop