王子様は外国人

○○スーパーの玄関前

キイッー。 バタン。バタン。バタン。


私達を乗せていた、車は、まだオープンされていない
綺麗な店に着くと、
ブレーキを掛け、
滝野くんを筆頭に、車を降りた。


「うおー。スゲェー、スゲェー。龍崎さん、桜野路さん、スゲェーッスよ〜!秋峰、見てみろよ、スゲェーよ!」


瀧野くんは、
初めての海外と
オープン前の店ということで
かなり興奮していた。


『恥ずかしいことを、皆様の前で抜かすんじゃねぇ』

ゲシッ。

そんな、滝野くんが
恥ずかしくて私は、
清楚?な国、フランスで
四の字固めを決めている。


「そうですねぇ、滝野くん。」


そんな、滝野くんと私龍崎を
ちょっと引きながらも
相づちを打つ、瀧野くんの相棒秋峰。


そんな、私達を、
クスクスと笑いながら
小声で


「テメェらが一番うるせぇんだよ、ガキ共」


とボソリと呟く、
姐さん、桜野路優里様。


さすがに怖いッス。


怖すぎて、秋峰くんはビクリと肩を震わす。

チラッと、滝野くんを見れば、
獲物にされ怯えた
ウサギのごとく
ブルブルと私の足にしがみつく。

うっとおしいわ!

ってかお前のその厳つい顔は
見かけ倒しかっと
怒鳴りそうになった私の目に、
私達の仲間(従業員)または、
お客様になる、フランスの皆さま方が
本気で引いている姿が見えた。


その姿を見た
桜野路さんは
ニッコリと天使スマイルを見せた。

その天使スマイルを見た
未来のお客様は
ホゥーとため息をつき、
私達の仲間となる従業員達は
緊張を解き
桜野路さんに近寄る。


今日は、
オープン前日の開会式ということで
従業員の皆さま方に
集まってもらったのだ。


そして、
私達の前で
フランス語を
ペラと喋っている桜野路さん。
さすがだなぁ、凄いなぁと感心している
私の右隣で
ウンウンと頷いている瀧野くん。
何言っているのか分かるのかなと
思い聞くと、


「わかるわけ無いじゃないッスか。」


と胸を張るバカ瀧野くん。

そぅなのと、
バカ瀧野くんに
ひきつり笑顔を見せた私。
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