それ行け!演劇クラブ

目の前に迫る学祭!加速せよ!みんなの練習後編~オラんとこの牛より遅いっペ!~

ヴォゴスッ
ボールは本人の意志に関係なく身代りにされた大心に命中した。ドラゴンクラッシュの直撃受けた人ってそんなにはいない気がするんだが。
「何オレ身代りにしてにげてんすか!?」
「何よ大心!男ならレディーがピンチの時身を挺して守るものよ!私の身代りになれたことはむしろ光栄に思うべきなのに何逆上してるの!」
ギャアギャア言い争う杏香と大心、それを困ったように笑いながら見守るちるみ、ヤレヤレとあきれる大樹、なんかある種のカオスが私雷夏の目の前で練成されてるし。
「雷夏、アンタってホント大変よね。いつもあんなメンツと一緒とか。」
お姉ちゃまだってよく一緒いるじゃんなんて言い返そうと思ったがむしょうにアレだったからやめといた。
とりあえず私とお姉ちゃまはみんなにバレないようその場を離れることに決めた。







次の日、学際でやる演劇の台本加筆版をみんなに配付し、そこから新しく練習を始めた。
大幅な加筆だ。道具系の準備にセットが案外早く終ったから大樹や大心にも役を与えたのだ。ついでに私と京香にも役があるのだよ。読者の諸君。
え?杏香は監督なのに何で役があんの?って?そんな質問はナシだぜ?だって杏香は役者も何でもやれるからね、監督と兼務でも問題はねぇのさ。あ、私も杏香みたいに何でもこなせんだよ?あ、これには出てないけど早乙女奏音(カノ)って私の友達もそんなタイプなんだぜぃ。(奏音は今ルーマニアに短期留学中で今年の冬には帰国する予定)
「こんちゃ~っす。」
んあ?うりょっち!?こな挨拶は!・・・、・・・って、お姉ちゃまかいっ!変に期待して損した!
プゥッ
「何むくれてんだぃ?妹よぅ」
「お姉ちゃまマジでうりょっちの挨拶しないで!」
プゥッとむくれて泪目で言われちゃイヤって言えないよね。あ、もち可愛い女の子がやったらの話だよ?
「そりゃそーと練習の調子はどう?」
「上々ってとこなのだよ。杏香も役者と監督パーフェクトに両立してるし。」
「そりゃ杏香は最強だからねぇ~。3年も4年も出る幕ないしね。てゆーかみんな感心してるしね、自分達でって積極性がスゴいって。」
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