3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




視聴覚室のドアを開けると教壇には神奈川先生、そして一番前の中央右の席に美雪が座ってる。



「何してるんだ雪村、さっさと入れ」



「あ、はい」



終始固まっていた俺は神奈川先生の声で我に返る。



「はは、よろしくね」



「おい、そこじゃ遠すぎるぞ。美雪の隣に座れ」



偶然、必然、運命?この状況に中々順応出来ず、俺は美雪から離れるように端っこの席に座ってしまう。



「す、すいません」



「はぁ、まさかまた貴方が関わるなんて。ついてない」



「よ、よろしく美雪さん」



また上手くしゃべれなくなった、意識しすぎってのもあるが香奈子とキスした後ろめたさも交差してるよ。


別に美雪と付き合ってるわけじゃないから、誰とキスしようが自由なんだろうけど……美雪が俺は好きなんだよな?



優柔不断って俺みたいな奴を指すんだよね。



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