カレカノ


忙しない足音が部屋の前で止まりドアが開いた。



柚葉はドアの方に視線をやり、すぐに姿勢を戻す。



「制服…かけとくぞ…オカンが見たら勘違いしそうだから」



確かに脱いだままのブラウスもスカートも第3者が見ればいかがわしい想像をしてしまうかも知れない。



「ごめん…」



「頭上げろ、冷やした方がいいだろ?あと体温計と茶はいるか?持って来てみたけどよ」



「飲みたい…」



喉が乾いて痛みがあって寒気がする。



風邪ひいたの久しぶりかも…―



渡されたお茶は冷たくもなく熱くもなく朱希の優しさを感じた。



「おばさん…どこ行ったのかな…」



「さぁ?買い物じゃねぇの」



ベッドにもたれ背中越しに返事をした。


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