カレカノ


学校で会えば憎まれ口を叩き、愛子と仲良くなろうとするくせに家に帰れば柚葉に会いに来る。



「……ただの女たらしだと言われればそれまでなんだけど」



「…え?何か言った?」



休み時間に愛子と雑誌を広げながらポツリ囁いた。



「ううん…何にも」



「そお?…ねぇ柚葉…」



「なに?」



「朱希君て誰か好きな人とかいるのかなぁ?」



「えっ…なんで?」



すると愛子は頬を染め俯いて言った。



「あたし…朱希君の彼女になりたいんだ…」



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