風にのせて君へ


ピアノが上手いドラ○もんは……


あれ? 違う、違う。


ん?


ん?



「もぉー! 先輩のせいでわかんなくなっちゃったじゃないですかぁー!」



椅子から勢いよく立ち上がった私は見事にクラス中から注目された。


そして
たちが悪いことにドラ○もん先生には、


“先輩”のところが“先生”に聞こえたらしく、私を注意することも忘れて一人悲しくへこんでいた。



……あっちゃー。



これも全部奏先輩がピアノを弾いてくれないからだ!





私はその日の放課後、奏先輩の教室に行ってみた。


だけど、教室にはいなくて、

音楽室に寄ってみた。



耳をすますと、音楽室の中からかすかにピアノの音がした。


私はそのことがわかると、走って音楽室まで行き、勢いよくドアを開けた。

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