俺様+妹=切ない
俺はサングラスとマスクに加えて棒を持って街を徘徊していた。



そう、棒を持ち歩いているのは棒を通じて親父と会話するためだ。



サングラスにマスクで一人で棒にブツブツと話しかけている俺は、ますます不審者ぶりがグレードアップしていた。



俺を見て、ビックリする者、顔を背ける者、クスクスと笑う者、まさしく見世物状態だった。



母親が子供に

「見ちゃダメっ!」

って言っていたのは辛かった。


道を歩けば、あまりのカッコ良さに女共が全員振り返っていた俺はどこに行ったんだよ。



『親父、教えてくれよ。俺の母親が生きているのかどうかを』


もう、捨てられた事なんて恨んでねぇから、ママの胸で泣かせてくれよ。



俺だって甘えたい時もあるんだよぉ……
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