旦那様は社長
「そうか。君のような若い娘にもそんな辛い経験が……」
優しい腕。
こうやって誰かに、何の計算もなくただ抱きしめられたのはいつぶりだろう。
「君の言う通りかもしれない」
「え?」
「美夜子は天国で幸せな人生を送っている。きっとそうだ」
「会長……」
最後に見せてくれた優しい笑顔が、辛い空気を一掃する。
良かった、伝わって。
あたしも両親を亡くした時は本当に辛かったけれど、今はこうして立ち直ることができたから。
だからきっと会長も――……