【探偵ピート・ジャンセン】
奇妙なコーヒー・ビーンズ


あれから我々は、
紅茶専門店の多い中、
珈琲豆を扱う業者を
虱潰しに探していった。

すっかり日が沈み、
あちらこちらのパブが
賑わう頃、夜間に人の
出入りが多いと言う
一軒のハイチ産珈琲豆を
扱う業者の倉庫の前に
辿り着いた。

そこに一台のトラックが
横づけされた‥。

数人の男達が荷台の扉を
開けると、中から珈琲豆の
麻袋を引き摺り出す‥

ところが、その中の幾つかの
袋の中身がゴソゴソと
もがく様に動いているのを
発見した。

更に様子を窺っていると

黒塗りの高級車がやって来て、
中から身なりの整った
品の良い紳士が降りて来た。


また一台‥そしてまた一台‥。


ここで一体何が行われて
いるのだろうか‥?

私とターニャは、
繰り返される運搬作業と
紳士達の動向を物影から
じっと息を殺して
見詰めていた。


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