幼なじみのキス




「教科書29ページを開いてください。」



パラパラ・・・。


あたしは教科書を開いた。


「拓、赤ペン貸して・・・って、拓?」


拓を見ると先生に見えないように教科書で顔を隠しながら寝ていた。



ぷ・・・また寝てるし!



あたしはゆっくり拓の筆入れから水性の黒いペンを取り出した。



そして、拓の顔に落書きをした。



おでこに“肉”と書いてから、ほっぺに渦巻きを書いた。


「ぷぷっ!!」


あたしの笑い声に反応して、千夏が振り向いた。



「見てみて♪」

あたしは拓の顔を指差した。



「ははっ!!うちにもやらせて♪」

千夏にペンを渡すと、千夏は拓の閉じている瞼に目を書き出した。



「「ぶっ!!」」



5分後には、見事な拓斗君ができた。



先生に見つかりそうになって、千夏は前を向きなおした。




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