†Orion†〜Nao's Story〜
「あの……ですね?」
「うん」
どんな順序で“好き”まで持っていくのか、全然考えていなかった。
いきなり“好きです”よりもまず、彼女の真相を確かめるべきだ。
あたしは大きく深呼吸してから先輩に訊く。
「先輩、彼女いるんですか?」
「……彼女?」
きょとんとしたような顔で、先輩は小首を傾げる。
「あぁ、彼女……ねぇ。ずいぶん前にいたかな」
ごくりと喉を鳴らしたあと、あたしは真相に迫る。
「今は……いるんですか?」