【短編】デカダンス



雷を伴った驟雨(しゅうう)が地面を穿つ。


結局、終わりも同じ様な雷雨の夜だった。


けど結果論から言えばそれは恵みの雨に他ならない。


激しい雨音は僕の気配と足音を抽出し、返り血を洗い流してくれた。


天すら、僕の行動を肯定してくれてるようだ。


薄ぼんやりと闇に徒(あだ)なすように光る街灯の下、


灰色の大脳と脳漿(のうしょう)を撒き散らす金髪を間に置き義姉はそこにいた。


義姉は突然の驟雨にも関わらず傘を差していた。


肉厚な唇、それとヌラヌラと快楽へと誘う膣内を連想させる薄紅の傘。


けど今その色は血と肉を連想させる方が遥かに容易かった。


義姉はいつもと変わらぬ喜悦を孕んだ表情を湛えている。


傘と相まってどこか優雅ささえ感じさせた。


濡れそぼっている僕とは違うのだ。


僕が手に持つのは狂気を内包したスコップで、流石に雨ははじけそうにない。



< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop