月から堕ちたアリス
テヌートさんはあたしが小さい頃から、本当の妹のように面倒を見てくれた人らしい。









そしてあたしはテヌートさんの家に招かれ、記憶を失って旅に出始めたばかりだということを話した。



「えっ何で…また行くの…!?」

『女王の支配をやめさせる。』

「何言ってるの無茶よ!!前にあなたが出ていってから何年経ったか分かってる?!次は記憶だけじゃ済まないかもしれない…!!本当に帰ってこれないかもしれないのよ!?」

『…分かってる!!』



一瞬あたし達の周りは静まり返った。



『危険なのは分かってる。でもあたしがやらなきゃいけないの。これは救世主(アリス)であるあたしの宿命みたい。』

「…でも…」

『あたしが止めなきゃこの世界は一生このままなの。ワンダーランドはあたしが救う。…これがあたしの存在理由らしいから。』



チラッとラビに目線を送って言う。


目があったラビは小さく頷いた。





あたしのこれまでの状況はかなり説明しにくい。


だけど1つ確かに言えるのは、あたしがこの世界を変えなきゃいけないってことだ。



『…………。』

「…………。」

「…………。」



3人の間には沈黙が流れる。
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