恐怖 DUSTER
だぁ~れだ?」二章
「ど、どうすればいい?どうすれば弥生を助けられるの?」



恵子は、泣きながら麻美に向かって言った。



「わからない!私にもどうしたらいいか解らないのよ」



麻美は、弥生を見つめながら悲しそうに言った。



「名前でしょ!弥生の後ろにいる女の名前を言えば弥生は助かるんでしょ!」


「弥生!弥生起きなさい!あきらめないで、女の名を言うのよ!」


裕子は、絶望的な状況の中、懸命に弥生を励ましながら起こそうと努力した。


恵子も裕子に続き、弥生を励まし起こそうとした。



・・・弥生・・・起きて・・・弥生・・・起きて・・・



恐怖のあまり失神してしまっていた弥生であったが、かすかに聞こえてくる裕子と恵子の声に、弥生は少しずつ意識を取り戻し始めてきた。



「チッ!」



麻美だけでなく、裕子と恵子にも女の舌打ちが聞こえた。




「裕子も恵子も、余計な事をしないでよ!」




「私の邪魔をしないで!」




「邪魔をすれば許さない!」




「許さない!許さない!許さない!許さない!」




恐ろしい声で女は叫び続けたが、裕子も恵子も必死に弥生を起こそうと声をかけ続けていく。



・・・う、うぅぅぅんんん・・・



裕子と恵子の声が届いたのか、弥生が意識を取り戻した。





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