ホスト前線上昇中
美由紀のこと私なりに少しは理解しているつもりだった。

ただ、それはあくまでも『つもり』であって──。

知らないことはたくさんあるんだと思い知らされた。

彼の辛さも悲しさも悔しさも虚しさも、全てが『プライド』と言う一言に集約されている気がしてならない。


「これでもまだ『ゲーム』に付き合いたいのなら僕は止めないよ」

「美由紀には事情があるんだと思う」

「……やっぱり。君は今までの子とは違うようだ」

「?」

「もし君が『ゲームを止める』と判断したら、僕は口説くつもりでいた──」

「なっ……、」

「でもはっきり分かったよ。俺じゃ敵わないってことがね」

彼は私に何かを言いかけて止めた。

「……」

「その事情ってヤツを聞けたら僕にも教えてよ。君なら美由紀を変えることができる、そんな予感がするんだ」

前にもどこかで同じようなセリフを言われたような。

私も残りのカフェオレを一気に飲み干した。
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