トリプレ
次女 瑞穂の瞑想
 給食の時間は嫌いだ。たとえ、揚げパンだろうと、カレーだろうと、給食の時間は嫌い。
 なぜ、教室で食べなきゃいけないのだ。なぜ、弁当じゃないのだ。
 ほら、よくドラマとかであるじゃん。屋上でひっそり弁当を食べるシーン。給食でそれやってるドラマは観た事ない。
「瑞穂、こっちきて食べない?」
 紘貴は、見るに見かねてか1人で給食を食べる私に声を掛けてくれた。でも男子のグループに混ざれるわけもない。
「いや、いい。」
「瑞穂、ヤバイって。完全に孤立してるよ。」
 知ってます。完全に孤立してんです。転校生に気を使ってもらっちゃって、私ったらなんて情けない。
「誰かに混ぜてもらおうか。」
「いいって!ずっとこうなんだからいいんだよ。」
「ずっと?」
「もういいから。」
 ほっといてくれ。
 紘貴はそれ以上何も言わなかったけど、本当にほっといてくれたのかは怪しい感じ。
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