ぼくの 妹 姫




――――――ドックン――――――





心臓が一度 大きな音をたてた






ぼくは ベンチから立ち上がり


後ろを振り返る






――――――蕾?





茶色い肩までの髪


大きな瞳


赤い唇


白い肌




あぁ、蕾だ





兄から見ても


お人形のように愛らしい




蕾だ





「………お兄ちゃん……」



蕾は照れたように笑って



「来ちゃいました」



ぼくも




「来ちゃったねぇ……」




前髪を片手で触って


どうしよう緊張する


胸がすごくドキドキしてた





「……お兄ちゃん?」



緊張するぼくの顔を蕾がのぞき込んで



「あ、じゃあ家に……帰ろうか」



ぼくの言葉に蕾はうなずいて





ぼく達は歩き出した




8年前 別れたぼくと蕾の道が



今やっと交差した




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