ぼくの 妹 姫



「いやぁ。楓くん立派になって
オジサン一瞬わからなかった」



笑いながら警察署の入り口近くにある自販機で


缶コーヒーを2つ買い1つをぼくに差し出した



「どうも」


缶コーヒーを受け取ると



「楓くん今、何してる?」



「中学の教師を」


「そうか、そうか」


稲垣刑事はニコニコして
缶コーヒーを開けた


「―――――――蕾ちゃんは?」



ぼくは少し間を置いてから



「中学3年になりました」



「そうか、そうか」

うなずきながら


「あの時は可哀想に
まだ6歳だったな、確か

近所の公園で―――――」



「やめてくださいっ!」



ギュッと缶を握りしめ
手がぶるぶる震えた


「…………やめてください」



稲垣刑事はぼくの震えた手をスッと目を細めて見て



「あぁ、すまんかったな
嫌な話をしたな」



自分を落ち着かせるために
ハァと息を吐いた



「楓くんと蕾ちゃん
君たちの事な良く覚えててね

ずっと気にしてたんだ――――――――――」



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