ホスト 神
「美月さん誕生日おめでとうございます。」



そう言って俺は、後ろ手に持っていた花束を美月さんに手渡した。



「ありがとう。ちゃんと花言葉まで考えてくれたのね。」



ブルーレースフラワーの花言葉は、優雅な振る舞い。美月さんにはぴったりだ。美月さんは鼻を花束に近づけ、空色や青紫色の花弁の匂いを楽しんでいる。



…ご機嫌な理由はすぐに分かった。美月さんの左手薬指には、前歯ほどのダイヤモンドが付いているリングがハメてある。流石ハルさん…ちゃんと気の利いたプレゼントを用意していたようだ。



ハルさんは俺が指輪に気が付いたのを察したらしく、顔を真っ赤にして慌ただしくタバコに火を付けた。



「なんだよ…神。ニヤニヤしやがって。」


「べつにぃ〜?いやぁ〜外は冬なのにここは暑いですなぁ〜?」



左手で軽く扇ぎながらソファに座り、ハルさんと美月さんと向き合った。
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