大切な記憶(仮)
今年も・・・
わすれられない・・・あの日のこと
あの頃の想いを・・・一生の恋を・・・



今年も雪が舞う・・・あの日と同じように・・・
「先輩、今年も雪が降っているよ・・・」
私は少し雪をかぶっている先輩に向かってつぶやいた。
「あの日と同じように・・・」

「久美ちゃん!」
「美加子」
友人の美加子は心配そうな顔しながらちかよってきた。
「やっぱりここにいた。」
「うん」
「もう・・・あれから5年もたつんだね」
私は先輩の上に降り積もる雪をはらった・・・
そう・・・先輩が眠るお墓の上に積もった雪を。

「もうかえろっか」
ずっと思いつめたようにお墓を見つめていた、
私に美加子はそっと寄り添いながらつぶやいた。
「うん・・・先輩またね」
私は先に歩き出した美加子を追うようにその前を離れた。
一度も振り返りはしなかった。

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