空の果て星の息吹
第2章

学園祭前日

秋になり、学園の周りの木々が、ゆるからな午後の日差しに包まれて、紅く染まっていく。


日本は四季が色濃く表れて素晴らしいと、英語教師のケィト先生が言っていたのを思い出す。


地球温暖化が進み、ツバルという珊瑚礁に囲まれた島は水面下に沈んでしまった地図から、島が消えてしまった。


夏は各地で渇水が続き、秋の葉の色ずきも遅くなっている。


学部試験が迫ってきていて最近は日々、図書室に通い追い込みの勉強をしていたが、この時期は悠久祭(学園祭)の準備もあり、クラスの学祭実行委員になっていたので放課後も残り準備をしたりした。


うちのクラスは早い段階から女子のカフェをやりたいとの意見があったので、早い段階で決まっていた。


あとはメニューを決めたり、食材や道具の手配をするだけだった。


今日は学祭準備会議で各クラスの進捗状況を話し合わなければいけなかった。
僕はクラス委員長の代わりに仕方なく会議に出なけれならなくなった。


会議では各クラスの催しを報告、予算分けの話をする中、バスで出会った月夜野ユイもいた。


カフェにフリマに、創作ダンス・・色々と説明が続く

自分のクラスの催しの説明をすると、ユイのクラスの番になった。


ユイのクラスはプラネタリウムをやるようだった。


会議が終わり、久しぶりにユイに声をかけてみた。


『月夜野さんのクラスはプラネタリウムなんだね、、後で見に行っていい?』


ユイは前に会ったのと同じ優しい笑顔で頷いた。


『でも、うちはあんまりまとまりが無くて、まだ完成するのに時間が掛かるから、がっかりするかも?』


『なら、手伝うよ・・うちはカフェだけど、女子主導でもう殆ど準備しているから』


『それなら少し甘えていいかな??』


ユイが頼ってくれたのは嬉しかった。


会議が終わり、クラスに戻り、今日の報告をしたり、メニューを決めたり、2時間くらい準備作業をして解散した。


シンもユイのクラスの手伝いに誘ったが、バイトが急遽入った様で、1人でユイのクラスに向かった。


ユイのクラスからはまだ電気が点いていたので、準備作業をしているみたいだった。
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