空の果て星の息吹

宇宙訓練

朱鷺が再び、地上へ向かうのは一月後であり、シャトルを整備している。


研修生は各学部に別れてエデンスタッフの手伝いを兼ねて勉強する。


涼子はオペレーターとして中央管制室へ、俊英は材質研究棟へ、景は環境研究棟へ、僕と北見はミキヤと伴に宇宙装機の格納庫へ向かった。


重力区から出て、中央に配置されたエレベーターで最下層のエリアへ向かう。


無重力の感覚はまだ慣れてはいない、エデンにある宇宙装機は訓練用を含めて12機配備されている。


主に宇宙装機はエデン改修増築工事の作業に使われるミキヤは技術者に僕達を紹介してくれた。


色んな国籍のスタッフがいるので、携帯翻訳機が無いと辛い。


まずは宇宙装機に慣れてもらうということで、エデンの周りの外観点検を行う事になった。


北見も緊張している用でいつもより、強ばった表情をしていた。


エデンの宇宙装機は、白を基調とした、西洋の騎士の様なスタイルに、ウサギの耳の様なアンテナが点いているタイプで、ここではバレットバニー(弾丸兎)と呼んでいるみたいだった。

バレットバニーにエデンで配られたパスカードを付けると、起動を始める。


全面部を空けて、中に入る微弱電流が流れ、人工筋肉が伸縮する。


起動言語を選択して、日本語に合わせるとモニター表示が変わる。


『北見伸一、遠野ソラ、起動ステップに異常はないか??』 


『問題ありません』


『宇宙は当たり前だが、まずは空気が無い、それに推進力が無いと、装機はただの重い固まりでしかない』

推進剤の残量と酸素残量は特に気を付けるように。


『まずは命綱を付けてのフライトだ・・装機の腰の部分に、カーボンナノチューブの命綱をつける』 


幹也を先頭にして命綱を付けて3機の装機はハッチから外界へ出た
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