空の果て星の息吹

未来を伴に歩く

【春――】


佐渡火星再開発総合学園の卒業式が始まる。


エデンで起きたテロ事件は世界を震撼させた。


テロ首謀者である、第三の黒き月のオロチが、学園の生徒であったことや、オロチから、エデンを守った学生が、同じ学園のエデン研修生であった事。




また、テラガイア行きの船は、エデンの復興が済むまで、先のばしにされた。


棚橋幹也は、今回の定期便でテラガイアに迎うはずだったが、暫らくはエデンの復興担当になり、毎日忙しくしている。


八神涼子と北見伸一は幹也と伴に、復興スタッフとしてエデンに残ることになり学園へは、暫く帰って居ない、彼らは幹也の右腕として活躍している。


佐藤景を初めとした、テロリストメンバー達はオロチの死後投降し捕まえられ、朱鷺で地球に送還され、これから国際裁判にかけられる事になっている。


そして、私は――


エデン復興支援の為に、彼が乗って旅立ったシャトルで明日、宇宙に旅立つ。


過激派としていたテロリスト急先鋒のオロチが亡くなり、テロは鎮静化された様に見えた。


私はエデン復興の選抜試験に受かり、シンと戒音と伴にエデンに向かう事になった。


『ユイ・・明日、あいつの守ったエデンに行くんだな・・・・』


シンが、遠い目をしながら私に聞いてきた。


『そうだね・・・彼が繋げた未来へ・・』


そんな話をしていたらユイの携帯が鳴り響く。   

メールが来た。


薄型のディスプレイに映る送信主はエデンに居る、八神涼子からだった。


涼子とは1月に何回かメールを交換していて、エデンの事を聞いたり、話したりする。


携帯を開き文面を読んだ。




< 214 / 216 >

この作品をシェア

pagetop