空の果て星の息吹

醒めない夢に効く薬

退院してから、授業の遅れを取り返すのが必死だった毎日、補習申請をして、帰りは遅くなる。


退院してから、シャトルを守った事で、理事長から表彰されて、表彰金をもらったので、そのお金を使い、中古の車を購入した。


冬場は今までスクーターが使えなくなるので、通学はバスだったが、車にしたら時間を気にせずに自由に通えた。


遅くなってもユイには出来るだけ会いに行っていた。

ユイの記憶は、戻ってはいないが、ユイは以前のように、明るくなり、親しみをもって互いに話すようになった。


雪が降り始めた。


雪を二人で眺めながら空を見ていた。


ユイの記憶が、これから例え戻らなかったとしても、一緒にいたい。


そう思えてきた。


『醒めない夢は無いから』 


と言った伯母の言葉を思い出しながら、もし醒めなかったら・・夢を見てい続けたい―――


そう思った。
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