王子な女好き
「俺は…別れる気なんてさらさらねぇよ…っ!」
巧はあたしの机をバンと叩いてあたしを威嚇した。
その叩く音に、クラスが一瞬静まった。
相当怒っているのか、巧はあたしから目を逸らそうとはしなかった。
「まぁまぁ、巧。洋子も結構悩んで――」
「宏美ちゃんは黙ってて」
場を和ませようとした宏美を巧は軽く睨んだ。
軽く、修羅場。
「ごめん。あたし、好きな人が出来て…」
分かってる。
悪いのは、あたし。