ビターチョコレート【被害妄想彼氏 番外編】
私は次の日、
慎一さんの住むアパートへと向かった。
ピンポーン
チャイムを鳴らすと、
中からどたどたと音を立ててこちらに向かってくるの分かった。
「は~い。
……って、どちら様?」
慎一さんの同居人らしき人は、
目を見開いて私を見ている。
「あ、あの…
私、慎一さんの知り合いの……」
私がそう言うと、
彼は手をぽん、と叩き、叫んだ。
「君がチヨちゃん?
慎二くんから話は聞いてるよ!
ささ、あがってあがって!」
私は彼に言われるがまま、部屋に入った。