梅雨のあと
梅雨のはじまり
『新入生、入場』
聞きなれない先生の声で
高校の入学式が始まった。
私は、今日から高校生になる。
着慣れない制服に、見慣れない校舎。
何もかもが新鮮で、
期待に胸を高鳴らせていた。
『1年1組
中川美波』
「はい」
これが、私の名前。
次々に名前が呼ばれていく。
『1年2組
宮田翔希』
トクン・・・
心臓が小さく波打った。
しょうき・・・
好きだった人の名前・・・
たぶん、これがきっかけだったんだ。
同じ名前だったから
好きになったんじゃないけど・・・
名前を聞いてから、
あなたのことが気になりだした・・・