◆昨日よりもキミが好き◆



「俺もさ、保健の藤子が好きだっていったよね?」


あ。

そうだ..



「俺なんてただの生徒でなんもできないし、ただ見てるだけで好きな気持ちももどかしぃぐらい。苦しい気持ちもなんも伝えられねーの。」



せつなそうな宗太くんの言葉が胸にチクっと突き刺さる。



「情けねぇよな。」


「そっそんなこと!」



わたしが勢いよく顔をあげると


宗太くんが優しく微笑んでた。



「心芽ちゃんは、ぜんぶ気持ち吐き出して思ってること頼にぶつけちゃいなよ。」


「え?」


「ちゃんと受け止めてくれる相手がいるんだからさ!」



そう。
わたしはひとりなわけじゃない。


気持ちを理解してくれようとしている

大切な人がいるんだ。



それを自分の弱さに逃げて手放そうとしてるのはわたしなんだ。


< 178 / 210 >

この作品をシェア

pagetop