現実(リアル)-大切な思い出-
「何をやってる…」


全員が、一斉に俺を見た。

好奇の視線を向けられることには慣れていたが、こんな注目のされ方は初めてだ。

慣れない視線を向けられて、少し気分が悪かった。


「げ、日暮じゃん」


「はっ、関係ねぇよ」

しゃがんでいた男が、腹を庇いながら立ち上がった。

「こいつは“無愛想無関心人間”だぜ?俺達に興味なんてねぇだろ」


「でも、やべぇよ。こいつ教師に気に入られてるし、もし告げ口でもされたら…」


「…」


「行こうぜ」


他の2人に説得されて、男は妥協したようだった。

まだ痛むのか、腹を押さえて彗に向き直る。

男の頭に隠されて、彗の顔が見えなくなった。
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