『誰か、』
彼女の渇ききった口に静かに水を移す

少しだけ温もりのある唇に

なぜかほっとした


また、何か言っている

聞こえないけれど

伝わってきた


「ありがとう」


言葉を返せない僕は返事の代わりに

彼女の傷ついた頬にそっと口づけた


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