〜花魁〜



目の前には注文したビールと、食べ物が少々…

食べ物って言っても、腹を満たす物じゃなくて“つまみ”系ばっか!!



「お疲れ様〜!!後、日付変わっちゃったけど、メリークリスマス♪」



――カチン



ジョッキとジョッキのぶつかり合う音は、クリスマスなんてロマンチックな響きには全くもって似合わない。


だけど、何処かの部屋から聞こえて来るクリスマスsongのメドレーが、クリスマスムードを高めている様な気がした――。



「プッハァー!!美味い!!」


そう言って、口に付いたビールを手のひらで拭き取る花の姿に…またもや、空を重ねた。




――違う。



最初っから、花の向こう側に

空を重ねて見てるんや。




「あれ、飲まへんの?美味しいよ?」


『えっ?あぁ…俺、あんま飲めない人やからさ。苦笑』


「そうなんや…。でも、この間ビールばっか飲んでなかった?」


『うん。あの時は、気が乗らんかったから飲んでただけ(笑)』


「よー飲む人やな〜って思っててんけど!!アタシも、あぁ言う所…あんま好きちゃうわー。光君の隣に座ってた人いたやん?賑やかすぎて苦手…。苦笑」



俺の隣に座ってた人…

貴史と同じオーラの男。

すなわち、横田。笑



『あはははは〜!!横田さん、撃沈やな。笑』







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