〜花魁〜
「ありがとう…」
そう言って、顔を上げた花の頬は
うっすらとピンク色に染まってる。
“ありがとう”
それは、これからの俺のセリフ。
『はい!!』
ポケットから出した、まだ傷もくすみもない銀色の鍵を花に手渡した。
俺、やっぱり頭イッちゃってる。
知り合ったばかりの女に、家の鍵を渡すなんて……。
精一杯の笑顔を作る。
だけど、それは花に向けた笑顔じゃなくて
空に向けた笑顔やで?
――やから、
空と同じ顔で笑ってよ。
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