〜花魁〜
茜の事で[学習]したんじゃないのか?
って、思う俺と―…
空の[変わり]でいい。
って、思う2人の俺が
交差する中で……
目の前には、しゃがみ込んで俯く花がいる。
[逃げたい]
[逃げたくない]
[空以外、嫌や]
[前に進みたい]
色んな思いが駆け巡って
時間にしたら、ほんの1〜2分の間なのに
何時間にも思えた。
スーッと腰を下ろして、花の目線に合わせる。
腕を伸ばして花の手を取ると、
寒空の下に晒されて冷え切った指先と指先が絡み合い
「……いいの?」
なんて、遠慮がちに聞いてくるから
『嫌なら良いけど?』
って、ちょっと意地悪したくなった――。
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