鍵は図書室に
放課後の過ごし方
この学校に、司書として勤めるようになって数ヶ月。
季節は夏真っ盛りだ。
「せーんせぇ、あづい〜。クーラーつよくしてよ〜」
カウンター越しにそう言ったのは、江口綾香。図書室に入り浸ってる女子生徒だ。
「十分涼しいでしょ。あなたが一人で熱く語りすぎてるからそうなるのよ」
実際、暑くないどころかちょっと寒いくらいなのだ。
「だって、この夏の時期といえば、私たちの部活の最盛期!暑くならない方がへんだよー」
放課後の過ごし方は部活に趣味に自由だ。でも…
「こらっ、綾香っ。先生を困らせるなよ。だいたい、図書室で騒ぐもんじゃないんだ」
今、私が言おうとしたことを先回りして言ってくれたのは笹山春菜。この子も入り浸り組だ。
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