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 会議後 廊下を歩いていて突然 前の人にぶつかった。  ドスンっ。
 前のめりに成り、倒れ掛かる。
『 あっ、スマンっ、スマ・・・!? 』 言葉が止まった。
 一瞬のおかしな映像に脳が反応したのだった。
体勢を取り直す 赤丸経造(あかまる けいぞう)首相だった。

 周りを取り巻くSPや政治家や全ての人達が、静止していた。
 辺りを見渡す赤丸。
 前の方から その場に相応しくない私服同然の若者の男達が悠々と歩いてきた。

『 ハ〜イ、お待たせしました首相。 クーデターです。 未来へどうぞっ 』
 右手で優しげに導かれ拉致される。

 赤丸経造は、選挙で演説をしていた。
『 へっ、やるじゃねぇーかっ。 あの喋り、クセ、存在感・・・コピーを作って勉強させたかいが有るってぇ〜もんだぜっ。  後は、上手く周りを説得させ、国民の支持を十分につかみ、時機をみて ” 行動に移すだけだ。
ふっ、軽いもんだぜっ 』

『お前は、やはり解放してやる。 何処えでも好きな所へ行け 』
 赤丸は、探りながら恐々と歩いて行った。

 回りの電器が燈った。
 赤丸は、今の置かれている状態を理解した。 汗が流れた。 唾を飲む。

 何故なら、何百という囚人がいて、鉄格子が無かったからだった。
 一人がニヤっと笑った。
『 ようこそ・・・獄中の我が家へ・・・皆 法律を破った者ばかりです・・・日本内閣総理大臣 赤丸経造・・・法のドン・・・へへっ・・・ヤレっ 』
 逃げる方法は、皆無に等しかった。
 揉みくちゃにされ、服が破られた、殴られた、蹴られた。 まるで狼の中のヒツジだった。

『 わぁ〜あ〜あっ、助けてくれ〜〜わぁ〜あっ・・・た・す・け・!!?? 』
 秒速で命の砂時計が無くなっていくのを身を持って恐怖感を存分に味わされた。
「これで俺達のいう事を利くように成るだろう」
(同じ体験をしたくないだろうからな・微笑)
生かして正装させて化粧させて現代に戻した。

そして後に赤丸経造の右腕の男が遺体で発見された。
外傷は、全く無かったが司法解剖の結果 心臓が立体的に"十字架"風に完全に"壊死"させられていた。
現在では、考えられない結果が出ていた。
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